貴公子と偽りの恋
私は、常に学年トップの香山君に相応しい女になりたくて、特に試験前は一生懸命勉強するんだけど、香山君は試験前でも普段と全然変わらず、女の子達に囲まれてニコニコしてたりするんだよね…

「今日、告ったら?」

「今日? それはちょっと…。それなりに準備をしたいし…」

「そう? でも、早くした方がいいと思うよ」

「分かった…」



その日の帰り、私は駅前の文房具も売ってる本屋さんへ寄り、ピンクの可愛い便箋と封筒を買った。


お風呂に入り、晩ご飯を食べてすぐ机に向かってから、既に軽く1時間は経っていると思う。

ピンクの便箋に書いては捨て、書いては捨てを何度も繰り返した。

『ふう…。これでいいかな?』
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