年上の彼氏


「話はそれだけ?」

「え・・・」

「じゃ」

「あ・・・」

パタン。

閉められたドアに心は真っ白で。

話をしたら分かってもらえるって思ってた。

秋仁さんはちゃんと聞いてくれるって思ってた。

だけど違った。

秋仁さんの中にある溝は私が考えているよりも遥かに深くて、

「お前じゃ、ムリ」

そんな風に言われた気がした。





話をすることが出来ないなら、メールを送ることにした。

毎日。毎日。

言い訳じゃない。

本当のこと。

だけど、秋仁さんの心は閉じられたまま、開くことは無かった。


諦められなかった。

やっと好きになってもらえたのに。

片思いから始まって、ずっと好きで好きで。

でも、もう限界なのかも・・・。

秋仁さんと話が出来無くなって、メールの返事も来なくて、2週間。

心が折れそうになってた。


誰かに相談しようと思ったけど、これは私の問題で。

私が引き起こした問題で。

だから一人で解決しなくちゃって思って。



気分転換に町に出たとき。

「・・・あれ・・・うそ・・・」

前を歩いていたのは秋仁さんで。

隣には綺麗な女の人。


後ろから鈍器で頭を殴られたような衝撃。

・・・本当にもう、ダメなのかも。

二人は美男美女でお似合いで、久しぶりにみた秋仁さんの笑顔は、私に向けられたものじゃなかった・・・。








< 115 / 130 >

この作品をシェア

pagetop