愛ガ降る
あたしの視線の先には“大概陸”がいた。
「あっ…、
…もしかして、この席の女の子?」
視線の先の“大概陸”があたしを見てそう言った。
あたしに向かって…話してる…?
あたしは自分の席に座っている“大概陸”の姿に驚き、まるで声を失ったかのように言葉が出てこなかった。
「ごめん。つい、話し込んじゃってて、俺、大概 陸って言うんだ。この時間、この席借りるね。」
思いがけない出来事に拍子抜けしているあたしにもかまわず、目の前の彼はニコリと笑い話し続けた。
「…えっ…と。
…名前は?」
彼の問いかけに、あたしはやっとハッとした。