愛ガ降る



靴を履くと、ユウちゃんは校門へ向かい、あたしはグラウンドに向かった。



「じゃあアズ、また明日ね。」



そう言って手を振り帰って行くユウちゃんに、あたしも手を振り返そうとした瞬間、突然今まで経験した事のないほどの息苦しさに襲われた。



「……っ!!」



あまりの苦しさに、その場にしゃがみ込んでしまうと、遠くからその姿を見たユウちゃんが慌てて駆け戻ってきた。



「アズ!!
どうしたのっ!!!」



「…くる…し…」



急にうずくまったあたしの姿に動揺し、ユウちゃんはとっさに声を張り上げた。



「タケルーー!!
大概っ!!!
誰かっ!早く来て!!」



その声に周囲にいた人達が慌ただしく動いた。



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