愛ガ降る



「あっ…、
だって、教室に男子がいるから…。」



目を丸くして言うあたしにユウちゃんは首を傾げて言った。



「アズ忘れてたの?
今日から選択授業で次の時間は教室移動でしょ。」




ユウちゃんのその言葉に、あたしは瞬間的に冷静さを取り戻した。



そうだった…。

今日から週に一度、唯一男女が一緒になる授業が入ったんだった。



…ということは、
“大概陸”は、この教室で授業を受けるってこと…?



選択科目の授業は10以上あった中、彼は偶然にもあたしの教室で授業を受けるなんて…。



あたしはすでに、たったそれだけのことで喜べる自分になっていた。



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