no drug no future
本番が始まった。

人がぞろぞろと入ってくる。

一番目だということで緩いモーニング系のサイケから初め、徐々にアゲていった。

緊張で私達はツマミを触る手が震えていた。

当たり障りのない選曲で流し、1時間はあっという間に終った。

多少ドタったけどあからさまなミスはなかった。

しかし、パフォーマンスをする余裕などさらさらなかった。

もっと余裕が持てるように練習したおさないと・・・。

でもステージに立つ快感は覚えた。

さっきまでのブース内の興奮と、終わった安心感が混ざり合い、私の身体は震えていた。

・・・情けない。

緊張感の余韻も残るままPsyjoの所へいった。

Psyjo 「初めてのわりには良い方だと思うよ!だけど変化がないねぇ。練習の時はもっといじってたでしょ?あのくらいしなきゃつまらないよ。まぁ、緊張してたからだと思うけどね(笑) 俺の昔のデビューより全然マシだよ(笑)」

私達は聴いてくれたPsyjoにお礼をし今後の意気込みを伝えた。

DJって面白いな、前までは音に踊らされていたけど、今は、私が踊らせる側。

DJと客とでは同じ箱の中にいるけど全然違う感覚だ。

これからはモチベーションを常に上げ、堂々とPlayできるようになりたい。

私はDJというものに没頭してみることにした。


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