no drug no future
23章 距離
それから私は水商売に戻るため自ら新宿に足を向けた。

正直もうこの世界には戻りたくなかった。

だけどネイルの専門学校費を貯めるまでは仕方がない。

アルタ横のキャッチ通りに行き、昔知り合いだったキャッチ達を探した。

すぐ3、4人の知り合いが見つかった。


その中でも一番しっかりして、高待遇の店をいっぱい知っているデキル男”ミノル”にした。


「お〜ぃ!ひさしぶり!ミノルだよね?」

さりげなく挨拶する。

ミノル
「おぉ!麗華ちゃんじゃん!めっちゃ久しぶりだね〜!2年ぶりくらいじゃない?!てかまた一段と可愛くなったね〜。今何してるの?ネイルの専門学校いけた?どっか店で働いてんの?!」


「実は色々あってまだ行けてないんだ。だからまた夜探してるんだよね。」


ミノルはさっそくガッツいてきた。

二年前よりもミノルは派手になっていた。

顔に似合わず、高級ブランド品を身体のあちこちに飾っていた。

いかにも儲かってますオーラで、ブランド品で身体のあちこちを飾っていた。

今でも健在な”気を抜かないハングリー精神”がミノルのキャッチ道の成功の秘訣だろう。

何より私の顔を見るなり、二年ぶりのブランク一つも見せずに”名前”と”やりたかった事”をすぐに会話にできる彼は尊敬の粋だ。

一年でざっと500人は女の子を覚える職業、きっとミノルの頭の中には、女の子情報管理ファイルが存在するのかなぁ〜なんて思った(笑)

そんなキレるミノルには久しぶり特有の気まずさも感じずに話す事ができた。

やっぱりこの男を選んで正解だったな・・・。
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