no drug no future
そして2ヶ月後に癒真くんが加入して初のライブが行われた。

観に行くと都内にあるライブハウスでのスリーマン(3組のバンド出演)だった。


トリだというので私は時間ギリギリに行きエントランスでパスをもらい中に入った。

私は何度もこのライブハウスに来た事があるけれど、こんな状況は初めてだった。

凄まじい人の数で、ホール?まで人がパンパンだった。

私は人ごみをかき分けなんとか中に入った。

その時は転換の時間で、お客さんの声援や話し声が凄かった。

そして幕が開いた。


Vidyのメンバーが次々と出てきて、最後にボーカルの紹介の声とともに癒真くんが登場した。

女の子たちの黄色い声援が飛び交う中、複雑な気持ちで見守っていた。

そして演奏が始まり、私は驚いた。

あの、家での適当なミーィングをしている彼らはどこに行ってしまったのか?

私はそこまで詳しくないが、楽器隊のリズムも安定していて、ボーカルの煽りやパフォーマンスも素晴らしかった。


何より歌唱力があり、お客さんを魅了する声だった。

確かに、お客さんが多いのも納得できた。

私は圧倒されながらぼーっとVidyの世界に入っていた。

いつもならすぐ自分の衣装のチェックをするが、その事まで忘れそうになっていた。

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