好きとは言えなくて…
すると、たっくんは物凄く嬉しそうな顔をして再びギュッと私を抱き締めた。


「俺、その呼び名を由衣子に呼ばれるのが一番嬉しい」


私の耳元で囁くものだから私の顔は更に赤くなる。


「由衣子。俺、今すごく言いたい。由衣子が好きだって」


たっくんにそう言われてもう我慢しなくていいんだって思えて私も自分の気持ちをたっくんにさらけ出す。


「私もたっくんが好き。大好き!
うぅん。それ以上にたっくんのことを愛してる」


「俺を好きになってくれてありがとう。逃げないでくれてありがとう」


そう。私達はいっぱい回り道をした。

お互いに逃げ回っていた。付き合ってる人を傷つけない為に。


それがお互いにいいと思っていた。優しくしてれば相手は傷付かないと。


だけどそれは違った。優しいだけではダメなんだ。
それを教えてくれたのは友達で本当に私の一人よがりだったんだって気づけた。


私はもうこの人から逃げないと決めたのだから。


好き以上に愛してるのだから。




end


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