好きとは言えなくて…
「ダーメ。それだけで俺は許さないよ。
そうだよ! あの時に強く最上が告白してくれたら拗れなかったと思うんだよね。
しかも、その後に斉藤君と付き合っちゃうしさ」
佐倉君はおどけるように言った。
その言いようにムッとしながらも、
「確かにあそこから拗れたのはわかるけど、それは佐倉君だって同じだよね?」
そう言い返すと佐倉君はハァッと溜め息をつくと呆れた顔をする。
「俺はさ、由衣子と言い争いをしたくて言ってる訳じゃないのさ。
その…さ。いつまで俺を名字で呼ぶの?」
佐倉君は顔を真っ赤にして困ったように眉を下げていた。
その様を見て私も恥ずかしくなって佐倉君の同じように顔を赤くする。
今が夕暮れで良かったと思う。
他から見たらお互いに顔が赤くなってるのは気づかれてないだろうし、私だけが佐倉君の照れた顔を見てると思うと嬉しくなった。
私は勇気を持って佐倉君の名前を呼んだ。
「…たっくん」
と。
小学生の時に彼が居ない時に繰り返し呼んでいた名前を。
そうだよ! あの時に強く最上が告白してくれたら拗れなかったと思うんだよね。
しかも、その後に斉藤君と付き合っちゃうしさ」
佐倉君はおどけるように言った。
その言いようにムッとしながらも、
「確かにあそこから拗れたのはわかるけど、それは佐倉君だって同じだよね?」
そう言い返すと佐倉君はハァッと溜め息をつくと呆れた顔をする。
「俺はさ、由衣子と言い争いをしたくて言ってる訳じゃないのさ。
その…さ。いつまで俺を名字で呼ぶの?」
佐倉君は顔を真っ赤にして困ったように眉を下げていた。
その様を見て私も恥ずかしくなって佐倉君の同じように顔を赤くする。
今が夕暮れで良かったと思う。
他から見たらお互いに顔が赤くなってるのは気づかれてないだろうし、私だけが佐倉君の照れた顔を見てると思うと嬉しくなった。
私は勇気を持って佐倉君の名前を呼んだ。
「…たっくん」
と。
小学生の時に彼が居ない時に繰り返し呼んでいた名前を。