僕は君の罪になりたい
― コンコン ―



「はい?」

「みーちゃん、いる〜?」



この声は…。





「いるけど入って来ないで」


「そんな照れなくてもいいのに」




入って来たのは成宮くん。


別に照れてないっつーの。





「何の用よ。部活のない生徒は早く帰りなさい」


「昼飯食べてないだろ。やるよ」




成宮くんはコンビニの袋を私が座っている机に投げた。



中にはパンとおにぎり、お菓子と飲み物まで入っている。




「…わざわざ買って来てくれたの?」


「まっ、みーちゃんが食いっぱぐれたのは俺のせいだからね」


「そうね。…でも、ありがとう」




成宮くんはフッと笑うと、教材の中から一冊の小説を手に取り

机の上に座って、それを読み始めた。





「まだ何か用?」

「うん」

「何」

「ひ・み・つ♪俺の事は気にしなくていいから食べなよ」




こんな真横にいられたら気になるってば。


まぁ、いっか。





「じゃあ遠慮なくいただきます」

「召し上がれ」




がっつきたい気持ちを抑え


モソモソとパンを食べながら



小説を読む成宮くんの顔を見つめた。
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