きみのとなり


「ただいまー」



梢に送ってもらって、私はのっそりと部屋へと入った。





「未来?手洗ってきなさい?お隣りにケーキ頂いたから。未来ー?」



「んー」



私はから返事をして制服のりぼんをほどいた。




ワイシャツを脱いで、鏡を見る。




「……ちっちゃい胸…」



あの時、拓ちゃんちから出てきた河野さんは…



胸元を押さえてて、ちらっとだけど谷間なんか見えちゃって…



1つ歳が違うだけなのに。



遠い…





「……って私…」



…何…考えてんだろう




拓ちゃんと河野さんが幸せなら何でもいいじゃない。




何考えてんの…




私は床に落としたワイシャツを拾って、素早く着替えた。




「やめやめ!拓ちゃんのことはもう……」




ーー『わからないんだから仕方ないよ。とりあえず伝えてみたら?鈴木に。分からないって』



…分からない……



かぁ…






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