きみのとなり
その光景を見て私はぽかんと口を開けるしかなかった。
きっと、みんなそうだったと思う。
「ケガしたら大変だろー?梢は危なっかしいよなー」
笑ってるのは、田中君だけだ。
「座ってても倒れたら危ないの。わかった?」
田中君は小さい子に言い聞かすように梢に言う。
梢は顔を真っ赤にしてコクコクと頷いた。
「わかればよし。みぃたんも気をつけろよなー」
「…へ…あ、はい…」
突然言われて私は慌てて返事をした。
「んじゃあ、帰りますかー」
田中君は立ち上がり、梢も一緒に立ち上がらせ、ひらひらと手を振って帰って行った。
梢、斗真君、私、優子ちゃんはぽかんとしてそれを見ていた。