きみのとなり
私は斗真君が戻ってきて、練習が再開してからも
梢と田中君をちらちらと見ていた。
うぅ…
苦しい。
まるで自分のことのようで、苦しい。
「はい!じゃあ今日は終わり!お疲れ様でした!」
優子ちゃんがそう言うと、私達はペタリとその場に座り込んだ。
「つかれたー!」
梢が私に寄り掛かる。
「ちょっと重い~」
「ひどい~」
「だって重いんだもん」
「わ~!!」
寄り掛かってくる梢を押していたら、ふざけてどんどん体重をかけてきて
「お、もいっ!」
そう言って私は梢を
えいっ
と押した。
「キャっ…」
けれど、思っていたよりも強く押してしまい、梢はバランスを崩した。
「…!!」
私は思わず目をつむって、息を飲んだ。
「…よっと……」
閉じた目を開けてみると
「あっぶないなー…気をつけろよなー!」
そう言って笑っている田中君と、その田中君に抱き留められている梢がいた。