きみのとなり


お母さんは冷蔵庫からポカリスエットを出してくれ、コップに注いでくれた。




「病院ほんとに行かないの?」


「うん。熱もすぐ下がるよ」



私はポカリスエットを一気に飲んで立ち上がった。




「寝る…」



私はボソッと言って部屋に戻った。




「明日は病院行くからねー」



お母さんが私の背中に言った。



「うーん…」



私はぼうっとする意識の中、部屋に戻ってベッドへともぞもぞと入り込んだ。





「ゴホッ…ゴホッ!」



咳が止まらない。



…病院、いつものところじゃなくても行った方がよかったかな…




でも、いつもの病院は先生が女の人で気兼ねしなくてすむから、私はそこがいいんだよね。




「ゴホッ…」



梢は大丈夫かな。



梢のことだから、今日はピンピンして学校きてそう。




「ハァ…」




色々考えていたら眠くなってきた。




熱も下がらないし。



もう…寝ちゃお…




私はゆっくりと瞼を閉じた。







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