きみのとなり


「ではルール説明をします。決勝戦はさっきまでと違って、手や腕にボールが触ると反則にします」



“えー”という声が敵チームから出た。



でも…それが普通のルールなんだけどな…




「反則になった場合はPKを行います」



ガヤガヤ騒ぐ敵チームに生徒会役員は顔をしかめている。




「いいですか!?」



今度は“はーい”とやる気のない声。



うちのクラスの人達はそれを横目で見ていた。




なんか…感じ悪い…




やだな…



このクラスは他クラスからも先生からも評判が悪いって良く聞くけど……




みんな髪は染めてるし、化粧はケバいし…




「…優子ちゃん…」



「ん?」



「…怖いね」



私はそっと、優子ちゃんに耳打ちした。



「うん。怖いけど、頑張ろ!」


優子ちゃんはそう言って笑った。








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