きみのとなり
「3対1で3年3組の勝ちです」
その次の試合も、なんと私達は勝ってしまった。
今度は私は点は入れなかったけど、積極的にボールを追いかけた。
そうしたら、パスは何回も回ってきて優子ちゃんとかみんなにボールが渡せたんだ。
「優子ちゃん…」
「ん?」
「っ…楽しいね!!」
「でしょ?サッカー、見るのも楽しいけどね?やるのも楽しいんだよ」
優子ちゃんはそうにっこりして言った。
それが妙に説得力があって、私は更に頑張ろうと思った。
「さぁ!お昼食べたら決勝だからね!隣の高校の人達も見てるし、頑張ろうか!!」
「…うん」
隣の高校……
「………」
私は高校生が校舎の窓から
こちらを眺めている姿をぼーっと見つめた。
あの中に拓ちゃんはいない。
河野さんと…話でもしてるんだ…
きっと
「未来ちゃん?」
「…あ…え?」
「ご飯食べに行こ?」
「あ…うん…」
私は優子ちゃんが差し延べてくれた手をキュッと握った。
拓ちゃん…見てなくても、優勝するからね…