雪の雫に濡れた夜

でも、


「手配者、狙撃しました。確保願います」

 落ち着いた、斗哉の声。


《了解。ー中央都保安局員、斗哉が手配者を狙撃、確保しろ》


 斗哉の口が告げた、言葉。
 斗哉の無線から聞こえる、言葉。


 なに?
 どういうこと?


 私は力抜け、その場に座り込んだ。

 
 私の手を離れる、見慣れた背中。

 
 遠くで、保安局の制服を着た人達と話す、斗哉。


 知らない、あんな斗哉は知らない





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