恋形

羽流は紀子を見た
紀子は声を殺して泣いていた
駅通り人々が行き交うのもかまわずに紀子は泣いていた
ハンカチを探す羽流だが持ってない
その代わりといってはなんだが声を殺して泣いている紀子に言葉をかけた

羽流「彼は……次郎さんは本当に愛していらっしゃったんですね。こんなにも、あなたの幸せを望んでいるなんて」

紀子は頬をつたう涙を手で拭いながら羽流に聞いた

紀子「わたしは………わたしは幸せになってもいいのでしょうか…?」

羽流「えぇ〜彼が望んでいます、あなたは
それに答えるべきだと思います
幸せになるべきだと」

紀子「幸せ……」

羽流「えぇ〜〜あなたの幸せが彼の幸せです…」

だが羽流に一つの疑問があった

羽流「もしかして…今でも次郎さんが好きなんですか?
お互いが好き同士なら
もう一度やり直してみたら…?」

紀子「えっ??」

紀子は羽流の問い掛けに不思議な顔をする

紀子「でも、次郎は…」

言い終える前に紀子の携帯がなった
掛けてきたのは今、紀子と付き合っている男だった
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