【完】ポケット-幼なじみ-







「ごめん、歩夢。」











顔をあげると走って来たのか汗をたくさんかいてて暑そうなはる君。












「ん、全然大丈夫。よくここまで来れたね?」











「逃げてきたから」







とニッと眩しい笑顔を私に向けて、指でVサインをつくる。












「そっか、お疲れ様。」









と私はスカートのポケットからハンカチをとりだして渡す












「さんきゅっ。さすが歩夢」








―――ドキっ












あなたのその何気ない一言が嬉しくて。










でも…それと同時に……





ちょっぴり切なくなる私の心。














――…駄目だって、この気持ちに気付いてしまっては。






だけど、頭ではそうわかっていても心臓が五月蝿い――…。









はる君は……私の心をいつも掻き乱す。
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