【完】ポケット-幼なじみ-
そのまま涙を流し続ける
歩夢を見ているとなんだか
胸がしめつけられているような
感覚に襲われる。
静かにベッドの隅に座りなおして
歩夢の小さな顔を両手で
挟むようにしてから涙で濡れた
瞼に一つキスを落とす。
「…はる…く…ん…?」
そう言った歩夢の薄い綺麗な形の唇に自分の唇を重ね合わせた。
そっと、
唇を離すと同時に現実に戻る。
「すー…」
歩夢がいつの間にかもう眠っていた。
立ち上がり、
ドアを開けて部屋をでた。