【完】ポケット-幼なじみ-
違和感のある首もとを確認すると鍵が首にかかっていた。
長いリボンでしっかりととめられている。
「はる君…ありがとう。」
後ろを振り返りそう言うとはる君は頷いた。
よし、……頑張る。
そんな光景をまた、彼女が冷たい目で見ていたことを私は知らなかった。
………この時点でももう、既に周りを見なすぎたんだ。
「これ、時計。」
彼女に渡された腕時計を腕に巻き付ける。
「…今から一時間だから。
03:00までにここに
帰って来て。用意はいい?」
こくり、と頷くと同時にストップウォッチの音が鳴り響き、危険な駆け引きが始まった――…