【完】ポケット-幼なじみ-


「いいでしょ。此処。」






「………うん。」






そう返事してそのまま突っ立っていると


はる君が優しくポンポン、と


右隣のコンクリートを叩いて合図をした。






はる君が叩いたトコに行って座る。






―――――ドキンドキン…


この心臓の音は

今動いたからだもん…、


とまた自分に言い訳をする。




「歩夢さ………」




「……………え?」




隣のはる君を見つめるとさっきみたいな真剣な顔していた。




「………津田からなんも聞いてないの?」




「…何が?」



「聞いてないならいい。アイツが自分で話してないなら。」



「……え?今なんて言ったの?」




「なんでもない。…ふぁぁあ」



とはる君は大きな欠伸をした。



そういえばはる君―…「ご飯は?」




「……朝、急いでて持ってくるの忘れた。」




「お腹………すかないの?」



「………………ん。」




そう曖昧な返事してはる君は私の手元にあったお弁当箱を手に取った。
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