【完】ポケット-幼なじみ-
はる君はフタを開けて箸を手に持ち、箸で卵焼きをとると自分の口に運んだ。
「…美味い。これ誰が作ったの?」
「私…だけど……ソレ……」
「…あぁ、欲しかった?はい。」
卵焼きを口の前に出されて反射的に口をあけてしまう。
卵焼きのダシの味が口の中にふわっ、と広がる
「…………じゃなくて!」
「…え?美味しくなかった?」
と惚けるように首を傾げるはる君。
――――ドキ
―…もう!さっきから何で?
こんなにドキドキしちゃうの?
そういえば…今のって、はる君と間接キスになるんじゃ……?
突然、カァァアと熱くなる頬をはる君に見られたくなくて両手で覆う。
きっと、好きだから…とかじゃなくて……男の子とだから、ドキドキするんだよ、ね?