【完】ポケット-幼なじみ-
「はる君―…?私、行くからね。」
肩を揺らしながらそう問うと少しだけ頷く。
はしごをおりて少し重たい扉を開け屋上から出て行った。
保健室のドアを目の前にして思い出していた。
―あの子が最低な子だから―
―酷い嫌がらせを受けてる―
今さっき、はる君と一緒にいた時は思い出さなかったけど離れてからまた思い出してしまう
千夏に……聞いてみよう、
少し躊躇しながら、保健室の扉を開けた。
保健室の中に先生はいなくて奥のベッドの所に白いカーテンがかかっていた。
「――失礼します。」
そう言って中に入りベッドの近くに行くと
「………………あゆ?」
と千夏の声がした。
「…………………うん、入っていい?」
「…………うん……ありがと。」
白いカーテンの先には
切なげな表情をした千夏がいた。