【完】ポケット-幼なじみ-
目に溜まる涙を一生懸命
堪えながら少しだけ顔をあげる。
「……………る………く…ん」
顔をあげたそこには
少し息を切らしながら
私を見るはる君がいた―――。
「――容態は?」
優しい君の声を聞いただけで
堪えていた涙も
溢れちゃいそうだよ――…
「意識不明の重体だって……」
「そっか………」
そう言ってはる君はいきなり
私の方に近づいて
何をするのかと思えば私の
頭をぐしゃぐしゃと掻き乱した