~先生と私の秘密~


すると沙織はキラキラした笑顔になった。



「きゃー!禁断の恋じゃん!
いつから好きだったの?」



「初めて会った始業式から・・・・。」



「全然気がつかなかった!
そっか、先生に片思いか。
私もね、中学の時に塾の講師に恋した事あるよ!」



「え?!」



突然のカミングアウト。



「夏だけしか私の塾にはいなかったんだけど、毎日、私は塾に行って先生に会うのが楽しみだった。」



「うんうん!」



「いないと寂しくて、いると幸せな気持ちになれたの。
でもね、先生はシャイな人で、なかなか話すのは難しくて。」



沙織が楽しそうに懐かしそうに話してくれる。



「しかも、個別しか教えてなくて私は個別じゃないから教えてもらう機会も無いから話す話題もなかったの。
それで、夏の終わりになって先生もいなくなる前に何か私の手に残るものが欲しい。って思って写真を撮ることにしたの。」




「沙織とツーショット?!」



「ううん。私と仲良しな講師の先生にお願いして先生を呼んでもらって、その二人を写真に撮ったの。」



「それで?」



「結局、告白とかもしないままに、先生はいなくなって、
私の恋は終わったの。
ひと夏の恋ってやつ。」



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