好きだと、言って。①~忘れえぬ人~

翌日。


いつもの社員食堂でいつものごとく、礼子さんとお昼を食べ終えた私は、ハルカのことを相談してみた。


「心臓病かぁ……。私の知り合いにも、心臓病の人間がいるから分かるけど、あれって本人も相当辛いけど、看病する方も大変なのよね」


「そうなんですか……」


心臓がおかしくなったら、即、命に関わるだろうことくらい、私の素人考えでも分かる。


水を汲み上げるポンプが止まれば、水流は途絶えてしまうのだから。


「詳しい病状は……、分からないんだったわね」


「はい。いとこからの又聞きなんで、そこまでは……」


「食べ物は制限されているかもしれないから、お見舞いの品は、オーソドックスだけどお花か、そうね、何かお勧めの本でも持っていってあげたら?」


お花と、本かぁ。


今の季節だと、何があるだろう?


やっぱり向日葵かな?


確か、切り花用の小振りの向日葵があった気がする。



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