好きだと、言って。①~忘れえぬ人~
洗面台。
トイレ。
ロッカーにベッド。
コンパクトだけど、機能的に配置された木目調の家具と、清潔な白い室内。
淡いイエロートーンのカーテンに半分だけ覆われた大きな窓を背にして、部屋の中央に置かれた白いパイプベッドの上。
そのベッドに背を預けて、淡いピンクのパジャマに身を包んだハルカは、静かに座っていた。
私に真っ直ぐ向けられる、大きなライト・ブラウンの瞳も。
少女のような、白い頬のラインも。
ゆったりと両サイドで三つ編みにされた、癖のない明るい色の髪も。
何もかも。
まるで、時間なんか経っていないように、あの頃のままで。
私は、なんだか、鼻の奥にツンと熱いものが込み上げてきてしまった。