キミを抱く
「あい……もしもし」
寝ぼけた声が
暗闇に響く
まぶたは重くて
まだ開かない
「俺」
短い低い声に
「スプー?」
と寝ぼけたまま訊いた
「はぁ?
何寝ぼけてんだ
俺だよ」
「……森くん?」
「そぉだよ!」
こんな真夜中に
ヒトを起こして
なんで不機嫌な声を
出せるのか?
森くんの無神経さは
よく分からないけど
だんだん覚めていく
頭の中
スプーが
こんな時間に
私を起こすはずがない
とはっきり思った
「今、お前んちの前
開けてくれよ」
「ん~わかった……」
ケータイを切って
布団から抜け出す
寒さに鳥肌が立った