キミを抱く
数字を書くたび
白いチョークがすり減る
その間
倉田先生は
窓枠にもたれて
教科書を見てた
学校で
教室で
誰かが見てる前で
言葉を交わす事はおろか
目を合わせるのも
イヤだ
見られたくない
知られたくない
キミと私は
いつでも
ふたりきり
じゃなきゃ
イヤだ
問題を終えて
席に着く時
「正解です」
って
声が聞こえた
ふと
窓の外を見たら
校門が見えた
今朝
森くんが
あくびした場所
ナニもないことを
知られたくない
ナニかあることを
知られたくない
ぜんぜん
逆のことのようで
全く同じなのかな
でも
やっぱり違う
キミとのことは
自分でも
よくわからない
でも
秘密基地を隠すような
大切な場所を守るような
絶対
誰にも知られたくない