キミを抱く

悶々とした気持ちで
歩きながら
廊下の窓を見た

晴れた空から
舞い降りる粉雪

もう4月も半ばなのに
さすがは北国

舞って落ちて
染みになって
消える雪

窓から目を逸らし
上履きのつま先を見て
ため息こぼしたら

空気が変わったのに
まず気づく

キミが近づくと
視界に入る前に
まず空気が変わる

変なスピリチュアルとか
思われたくないから
ゼッタイ誰にも言わない

でも
わかるんだよ
最初から

視線を上げるのに
心臓がさわぐ
キミがいる

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