キミを抱く

向こう側から
大きな歩幅で
やってくる

私は足を止めて
うなずくように
軽く頭を下げた

キミは
横目で私を見て
首を傾げるように
会釈した

すれ違ったあと
振り返るのは
私だけだ

スーツ姿の背中

ここでは
数学の倉田先生、だね

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