The Nightmare Eraser 悪夢を消すもの
「泣いてるのに、大人も子供も無いでしょ」

「泣いてないのに……」

 恥ずかしさを誤魔化す為に美耶の方からぎゅううっと抱きしめた。すると建は笑って一瞬強く抱きしめ返して、真剣な声で話し始める。

「ねぇ……美耶、最近、うなされてること多くない? 何か心配事でもあった?」

「ううん。疲れてるのかなぁ……? 何でか最近、夢見が悪くて。はは」

 美耶は、心配してくれてありがとう……と苦笑いで答えた。
 それを聞いた建は、少し考え込む。

「ねぇ……美耶、その怖い夢、僕が食べても良い?」

「へ……?」

 美耶の答えを待たずに、ペロリと耳を舐めた。

「きゃ! ちょっ……!」

 思わず身を引いた美耶と、建の目が合う。建の真剣な眼差しに美耶の鼓動が、ドキリと跳ねた。

「………………なーんてね。冗談だよ」

 美耶から体を離した建が、ニヤリと笑う。それを見た美耶も、笑い出した。

「もー何ソレ? 意味解んないよぉ!」

 一緒に笑いながら建は、自分の膝に置かれた美耶の手を取った。

「あははっ。ごめんね。……でもここからは、今度こそ本気の話」

 再び真剣な表情になった建を、美耶は不思議そうに見つめた。




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