白い吐息

『ちっ…違います!可愛いなんて、あまり言われないから』

『琴子は可愛いよ』

『もぅ!やめて下さい』

『そうやって照れてる所も可愛いな』

『…先生って軽いですよね』

『そうか?』

『普通、そんな簡単に…可愛いなんて言わないもん』

『でもオレ、人間では子供と琴子にしか可愛いって言ったことないよ』


なんの話から、この話題になったんだっけ?…


『嘘だあ!』

『子供と琴子…言いづらいな?』

『人の話聞いてます?』

『嘘じゃないよ。オレシャイだもん』

『先生…酒飲みました?』

『バレた?』

『嫌…教師なのに信じられない!』

『屋上で缶ビール一本あけただけだよ』

『でも学校ですよ!』

『いいじゃん夏休みなんだし』

『ダメですよ!』

『琴子もここから見るつもりなんだろ?』


そうだ、花火だ!…


『はい、学校は夜でも安全だから』

『オレがいたら危険なのに甘いな〜』

『先生、一本じゃないでしょ?』

『何が?』

『ビールです!』

『…てゆーか、ボトルで持ってきちゃった』

『ボトル?』

『ここ冷蔵庫あるし、氷も作れるし』

『最低…』

『琴子のオレンジジュースも冷えてるよ』

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