白い吐息
ゴメンね、先生―
次の日、琴は恐る恐る職員室のドアを開けた。
森下の席に彼の姿は無かった。
そして、朝の職員会議で教頭からこう告げられた。
「森下先生なんですが、夕べ事故にあって入院したと連絡がありました」
事故?
「全治3週間ほどのケガだというので、今学期は治療に専念する為、休暇を取るとのことです。皆さん、協力的にお願いします」
休暇?
「で、2-Bの方なんですが、長谷川先生?」
「…っはい」
「よろしくお願いします」
「はっ?」
「ですから、2-Bの担任代行お願いします」
「えっわっ…私ですか!」
「まぁ、今学期といっても後2週間ほどですがね、気を抜かないようにお願いします。期末試験もありますしね」
「はっはい!」
と、いう訳で短期間ではあるが琴は真人のクラスを受け持つことになった。
あの森下の代わりとして。突然のことにややパニックに陥る琴だったが、流れに身を任せるしかなかった。