恋愛悠々~四人之恋~
in 浴衣売り場
「キャー!可愛い!!」
「これいい!」
ハイテンション二度<ふたたび>
ただ今回は、形は皆同じ、柄と色を見ればいいだけである。
「うわ~、あたし、これに決めた!」
珠が選んだのは、黒地に蝶の描かれた浴衣で、帯は群青色のシックな浴衣だ。
一緒に黒に薄紫色の下駄<ゲタ>を買う。
「え~、あたしどうしよι」
柄より、形重視の志穂にとって、みな形が同じ浴衣は、選びにくいのだ。
「これは?」
珠が選んだのは、藍色の生地に同じく蝶の描かれた浴衣で、帯が朱色の艶っぽい浴衣で、下駄も藍色に薄紫色の物である。
「綺麗!!
あっ!祥介、一義!どぉ?」
「良いと思うけど」
「だよね!
…って、一義は?」
「トイレ」
「ん?
噂をすれば、なんとやら!
一義発見!」
遠くに一義が見えた為、志穂は、声を出して一義を呼ぶ。
が、一義の近くに知らない女性…。
うっすらと会話が聞こえる。
「ねえ、あの子誰?知り合い―――――」
「違っ!ただの腐れ縁で――――」
「嘘ッ!」
「ホントだ!好きな―――お前―――」