飛べない鳥


パシリかよ。


一瞬、そう思ったけれど

断れるよりマシだった。



飛鳥がそのとき

僕の告白を断っていたら

関係は崩れ、“今”がなかっただろう。





雅也と別れてから

飛鳥の顔色がよくなかった。


でも決して弱音を吐こうとはしないので

僕もそのことに触れないでいた。



そんなある日、

突然、飛鳥から電話がかかってきた。


『ちょっと暇電してみたー』


電話の向こうの飛鳥は無邪気に笑う。


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