飛べない鳥


“性欲丸出し”

それは僕も飛鳥と前に付き合っていた雅也も含まれていた。


雅也は僕よりも恋愛経験が多く

飛鳥の処女は雅也に奪われた。


あとで聞いた飛鳥の愚痴ではセフレに近かったらしい。


でもそれがちょっと悔しかった僕は


たまにヒステリックになって抱きついてくる飛鳥を

押し倒そうかと思った。



しかしそれはすぐにバレてしまう。


『光太、離して』

飛鳥は冷静な口調で僕を突き飛ばした。

『どうしたの?』

『自分の下半身を見ればいい』

僕の体は正直だった。

彼女は呆れていた。

『性欲丸出し男め』

いつものつんとした顔。



しょうがないよ、

男はそういう生き物なんだから。



飛鳥は無防備すぎる。

昔から。

だからたまに誘っているように見える。


やれるもんならやってみろと。



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