飛べない鳥


夏休みを過ぎ

休日、近くのファミレスで飛鳥と昼食を食べる事にした。



『彼氏と仲良くやってる?』


軽い口調で言ったつもりなのに

一瞬、飛鳥の手が止まった。



まさかまたフラレたのか。



『なんかさ〜、別れたい』


『え?』


僕は耳を疑った。


『もういっそのことフっちゃおうかな?』



飛鳥はアイスティーの中に入ったストローをくるくる回す。


お前…

前にこんなこと言ってなかったか?


“フって後悔するより

フラレて傷付いたほうがいい”

って。



お前は人を傷付けるのか?


『光太はどう思う?』


長いストレートの髪

背が小さいけどスラッとした体型

どこで取得したのか猫みたいな甘い声


この17年間、飛鳥は愛を求め続け今の飛鳥ができた。



『僕が飛鳥から離れればいいんじゃない?』


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