ミコト 〜運命の出会い〜
「この聖地に、入り込んだ侵入者を取り逃がしてしまいました。」

「侵入者ですか。」

「はい、シビトがここまで来ているとは…」

「セイ。それはあり得ません…」

「しかし…現に…」

「ここは、限られた者しか入ることなど出来ません。もしここへ来たとなりますと私のような導き…もしくは神子かも知れません。」

「リサ様、恐れおおいのですが、あの侵入者は神子ではありえません」

「なぜですか?」

「神子というのは本来、聖なる力を持つものです。しかしさっきのあれは、とても危険な力です。」

「セイ…」

「神子ではなく、この国の害となる存在かもしれません。」

セイはそう言い一礼した後リサの前から去っていった。

「救う存在よ…セイ。運命なのだから。」

リサの言葉は誰にも聞くことなどなかった。
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