冷たい雨に咲く紅い花【前篇】

   †


「えっ!なにこの服 !?」


静音さんに渡された服を見て、私は固まった。


「実織様に着ていただくために用意したものですが、なにか不都合でも?」

「不都合もなにも、これ、普通に着ないでしょ!?」

私は渡された服を、静音さんの前でヒラヒラさせた。


淡い桜色に、真珠のような飾りのついた、
ドレスを。


「実織様にお似合いだと思いますが、このお色お嫌いですか?」

「いやいや、色じゃなくて…。こういう服じゃなくて、普通のがいいんだけど…、Tシャツにジーンズとか」

「実織様。実織様は、一週間後、紘夜様とパーティーに出席されるんですよね?」

「はあ、まぁ、そう言う事になってるけど?」

「それまで、実織様にはパーティー用のドレスで過ごしていただき、淑女としてのたしなみを身につけていただきます」


しゅ、淑女ーーっ!?


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