冷たい雨に咲く紅い花【前篇】
確かに、さっきの静音さんの言葉通り、
少しはドレス効果があるみたい。
「さ、朝食に致しましょう。紘夜様がお待ちですよ」
静音さんのその言葉で、一気に現実に引き戻された。
え!あの男に、この姿見られるの!?
「い、イヤ…、ご飯ここで食べさせて」
「どうしたのです?一緒に参りましょう、実織様」
「あの男にこの姿見られるのはイヤ!絶対笑われる!!」
「そんなことはございません。実織様…」
と、私と静音さんが言い合っていると、
バンッ!
部屋の扉が勢いよく開けられ、
あの男が、部屋の入り口に立っていた。
「遅い!いつまで待たせる気だ!」
「なっ!とっ、突然現れないでよ!ビックリするじゃないっ」
私は、静音さんの体に隠れる様にしながらも、
大声で叫んだ。
ここで負けてられるか!