Au Revoir―再会―
「お姉ちゃんは謙のこと、本気だったよ。ずっと謙と結婚するつもりだったもん」
ウェディング雑誌を買って、部屋で読んでいるお姉ちゃんを何度も見てきた。
『七海はどれがいいと思う?』
いつもそうやって、あたしに聞いてくるんだ。
『これ!』
『やっぱり?あたしもこれがイチオシ!七海とは気が合うなぁ』
そうやって嬉しそうに笑うお姉ちゃんは、妹から見ても幸せそうで、すごく可愛かった。
まさか……大好きなお姉ちゃんの彼氏を好きになるなんて、あの時は思わなかったよ。
大好きなお姉ちゃんだからこそ、あたしは言えなかった。
大切な二人だったから。
『謙がさー、これプレゼントしてくれたの』
嬉しそうに小箱から取り出して、それをあたしに見せてくれるお姉ちゃん。
幸せそうなお姉ちゃんが、いつしか疎ましく思えて、あたしは以前のように素直に喜べずにいた。
謙の存在が大きくなるにつれ、胸が苦しくて。
いつしか、お姉ちゃんと謙は結婚する。
そしたら、あたしは義理の妹になってしまう。
“妹”になることをずっと望んでいたはずなのに――。
このままお姉ちゃんと同じ家にいたら、あたしはどうにかなってしまいそうだった。
だから、家を出た。
そして、あの街を離れたんだ。