Au Revoir―再会―


「七海、いくつになったんだっけ?」


「――ッ。もうさっき言ったじゃない!だから、29歳だけど」


「そっか。29歳か……」

「なーに?そんなに29歳の独身女が珍しいわけ?
それとも、独身だからあたしのこと笑ってるわけ?」


あたしが抱く謙への想いを、本人に知られぬよう努めなければ。


謙の前では、いつだって可愛げのない女だ。


「いや、早いなぁと思って。まだガキだった七海が29歳になるなんて、感慨深いものがあるよ」


「ちょっと!ガキって、馬鹿にしてるの?」


「いや。初めて会ったとき、七海15歳だっただろ?中学生だぜ、中学生!
あれから14年も経つなんて早いなぁと思ってさ」


えっ、それって……


あたしたちが初めて会ったときのことを言ってるの?

あたしが中3で、謙が大学4年だった、あの夏休みのこと?


あたしが、まだセーラー服を着ていた頃――。



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