Au Revoir―再会―
「えっ、これ……」
その小箱を見つめたまま、あたしはぴくりとも動けなかった。
「サイズが分からないから七海の背格好とか話して、店員さんに決めてもらったんだ。どう?緩い?」
首を横に振った。
「……ううん。ピッタリ。謙って、天才だね」
本当にサイズがピッタリだった。
まるで採寸したかのように。
謙からの初めてのプレゼントに喜びも一入。
「よかった!
そうそう、ここへ来る前に若菜に電話したんだ。そしたらさ、『七海は頑固者の上に人一倍鈍感だから一筋縄ではいかないよ』って言われたけど、本当だったよ」
「お姉ちゃんが?」
「あぁ。『そろそろケジメつけないと、若い男に持って行かれるわよ。サッサと迎えに行っておいで』って言われたよ。
俺もまだ若いつもりだったけど、やっぱオッサンなのかな?」
そう言いながら、謙は軽く首を傾げた。
ううん、謙はオッサンなんかじゃない。
クールでスマートで、最高の男。
あたしには、もったいないくらいのいい男。