Au Revoir―再会―
それより……お姉ちゃんがそんなことを。
ごめん、お姉ちゃん。
あたし、お姉ちゃんのことずっと誤解してた。
自分だけさっさと結婚して幸せそうなお姉ちゃんは、謙のことなんてもう忘れてしまったのかと思っていた。
あたしは、そんなお姉ちゃんも嫌だった。
お姉ちゃんは、ずっと謙のことが好きだと思っていたから。
でも、あたしの幸せもちゃんと願っててくれてたなんて……。
あたしは知らず知らずのうちに、お姉ちゃんのことを恨んでた。
それも勝手に。
「あぁ、それにしても今日はマジで疲れたよ。オペ以上の疲労だ」
夜の海で、首をコキコキ鳴らしながら謙はストレッチを始めた。
辺りには人影もなく、しんと静まり返っている。
「七海」
「ん、なに?」
「今夜は優しく労ってくれよ」
「えっ、労るって?」
ニヤリと謙が笑う。
「何、その笑い!気持ち悪いんだけど」