こんぺいとう
「やっぱ峻どっかズレてる気するわ。普通、材料も用意しないでバーベキューするなんて言わないでしょ?」




不満爆発の灯が愚痴をこぼす。
それを黙って受け入れるのがあたしの役割。




「いつものことでしょ。」




そう、いつものこと。
あたし達は峻に振り回され続ける。





でも、あたしにはその空間が安らぎを与えてくれる。




ふわふわと浮いている雲の上にいるかのように
あたしは無重力の世界に入ることができる。




峻が意味不明で、灯が愚痴をこぼして、あたしがそれを受け入れて…




それで良いの。
ずっとそうやって一生が流れていけば、どれだけ幸せだろう?




こんなくだらないことが、あたしの一番の特効薬なのに。




なのに…
どうして世界はうまく回らないのだろう?






まさか、あなたに出会うなんて…







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