夏色のキミ〜sea side




正直 純がちゃんと学校に来るか心配だったが

遅刻しながらも毎日学校に来ているので
私は心からほっとした。



本当にもう大丈夫なんだ


そう思いながら日々を過ごし、季節は

純と出会った春になった。



桜の花弁が舞う並木道を歩きながら
純の背中を思い出す。



あれからもう一年か…



去年の今頃を懐かしく思いながら 私は校舎に歩を進める。





「あ…亜紀」



クラス表が貼りだされた掲示板の前まで来ると
さくらが暗そうな顔で私を迎えた。



「うそ…離れたの?」


恐る恐る聞くと、さくらは力なく頷いた。


クラス発表の日にこんな顔をされれば組が別れたのなんて一目瞭然だ


うちの学校は五組までだから 同じクラスになる確立は五分の一。


離れたっておかしくはないけど…


やはりショックだ。



「…皆バラバラやわ。しかも亜紀が一番クラス遠い」



建斗も私を見つけるなり どんよりとした面持ちで言ってきた。


建斗の言葉に 私はもはや何も言えなかった。



一番遠いクラス…?

皆バラバラ…?



何も考えられず放心状態の私


そんな私に
さくらがそっと呟いた。








「なんてね、嘘だよ」



「奇跡的に皆同じクラスや」


さくらに続いて、建斗がそう言って私の肩に手を置いた。



……え?え?



頭が混乱して 私は何が何だか分からない。



「え…どういう事?」



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