黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】


「……そうね。でも、これが私だから仕方ないの。文句ある?」


すごい睨みをきかしている先パイ。


恐るべし……


「あ、結奈ちゃぁん」

「……はいなんでしょう」


さっきと違ってにっこり笑っている先パイ。


「あのね、私は今結奈ちゃんがいる世界で京香として生きてるの。だからもう杏先パイは卒業で、これから京香と呼びなね♪」

「あ、わかりました」

「あーと、敬語はなしよ」

「は……わかった」


すると……京香は視線を玲奈に向け「今日これから私の大事な娘に手ぇ出したヤツら潰すから来てちょーだい♪」と言って立ち上がった。


玲奈は仕方ない、という顔してたけど、あたしを見て何か思い出したような顔になった。


「ねぇ京香っ!!結奈、玲奈より強いから結奈も連れてこ?」


「「……はぁ?」」


見事にあたしと純がハモった。


あたしが……?


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